亡くなった方の不動産
Q.
不動産の名義人が亡くなりました。不動産の名義変更は必ずしなくともよいと聞きました。名義変更しないことで何かデメリットはありますか?
A.
不動産の登記名義人が死亡した場合、本来は次の所有者となる者に名義変更する登記をしなければなりませんが、登記しないことについて罰則は無く、権利であり義務ではありません。しかし、登記しないことについて、次の様なデメリットが生じます。
①不動産を売却しようとした時にすぐに手続できないことになります。相続人が複数いた場合、その全員の合意を得る必要がありますが、合意に時間を要する場合、思った時期での手続が困難な場合が予想されます。
②相続人が死亡し、次の相続が発生(二次相続)してしまい、権利を持つ者が増え関係が複雑になります。二次相続、三次相続が発生した場合、相続人が数十人に上るような事態となり、連絡先すら知らない相続人との協議をしなければならないことになります。
③不動産を所有していること自体が失念されるようになります。現在、所有者が不明である不動産によってまちづくりなどの公共事業が立ちゆかない事態が発生しております。これは、不動産の所有者である相続人ですら、自らが権利を有する不動産があることを知らない場合がほとんどです。
亡くなった方の不動産の名義変更については速やかに行っておく方がよいでしょう。