敷金返還

Ｑ.
建物を借りる時に家主に敷金を払ったのですが、建物を返す時に敷金は返還されると聞きました。どの程度返還されますか？

Ａ.
原則、敷金は全額返還されます。まず敷金というのは、借家に住む場合等、建物賃貸借契約を締結した際に、借主が貸主（家主）に支払う金銭です。契約内容によっては、「権利金」、「礼金」等の名目となっている場合は返還されず、敷金であっても「敷引き」として最初から一定額を返還しない旨の特約がある場合も敷金返還はされませんので、契約書を確認する必要があります。

次に敷金の性質は、家賃の滞納や建物の原状回復費等に備えての担保であるため、滞納等がなければ、敷金は全額返還されます。ここでよくトラブルになるのが、原状回復についてです。原状回復というと借りた時と同じ状態に修繕することと思われがちですが、そうではなく、その建物を通常使用した場合の損耗（クロスの黄ばみ、冷蔵庫裏の黒シミ）や自然劣化（網戸の劣化、畳の色落ち）等については修繕する必要がありません。そのため、通常使用を越えるような、タバコの焦げ後や壁の落書きなどは修繕の対象となり、敷金から差し引かれます。修繕箇所が多ければ逆に修繕金を支払う必要がある場合もあります。原状回復のトラブルを防ぐために建物に入居する時と退去する時に写真をとって残しておくことが望ましいです。

次回は、「礼金」名目で契約した際の問題点についてふれたいと思います。