敷金トラブル
Q.
私は、Aから建物を借りた際に10万円の敷金を支払いました。その後、Aがその建物をBに売り渡したため、現在はBに賃料等を払っていますが、賃貸借契約が終了し敷金の返還を求める場合、誰に請求すればよいでしょうか?
A.
敷金の返還は、現在の所有者であるBに請求することになります。貸家の所有権が譲渡された際には、それに付随して、旧所有者であるAが締結した賃貸借契約も新所有者であるBが引き継ぐこととなります。そのため、Bは賃料を取得する権利を有するとともに敷金の返還をする義務を負うことになります。これは、AB間で敷金のことについて協議があったかどうかにかかわりませんので、たとえBが敷金の存在を全く知らない等の事情があったとしても、当然に敷金の返還義務を引き継ぎます。
ただし、新所有者が引き継ぐ敷金は、旧所有者に対する借家人の債務を差し引いた残りの額となりますので、Aに対して未払い賃料等がある場合には、これを差し引いた額がBの引き継ぐ敷金となりますので、返還敷金の計算については注意が必要です。
なお、敷金の承継の問題としてA、B間においては敷金の処理を事前に協議をすべきですが、協議がなされていない場合には、Bが敷金の返還をした後、BがAに対して求償し処理することとなります。